歯根端切除術は必要かどうかのお話
歯根端切除術が必要な条件は、現在の歯の状態がこの写真のように、通常の根管治療をしても根尖病変が治癒しない可能性がある場合です。レントゲン写真で歯根の尖端に黒い影が見える場合は、まだ治療過程中だったりするかもしれません。
手術中には歯茎を開いて病変を視認することができますが、場合によっては治療が難しいと判断され、歯を抜かなければならないケースもあります。
施術の流れは、歯茎を開いて病変を取り除き、顕微鏡で拡大しながら歯の内部をきれいにしてから高い成功率が見込めるMTA(もしくはそれに準ずる科学的根拠のある材料)を使用して埋めます。その後、再び歯茎を縫合することになります。
施術後の流れは、3、4日で抜糸を行い、3ヶ月後にデンタルX線で再確認します。成功失敗の判断は、X線写真上の透過像が小さくなってきた(縮小)か、消え去っている(消失)ことと、臨床症状がないことです。
しかし、施術を受けるかどうかは患者さん自身が決めることです。歯を残したい気持ちが強ければ、手術をする方向で考えるかもしれませんが、それでも患者さんの状態やお考えが最優先されます。痛みや違和感がなくても、病気が残っているケースがありますので、定期的なフォローアップ検診を受けることはとても大切です。
施術は1日で終わりますが、3時間ほどの所要時間となります。右下の奥歯はテクニック的にも非常に難しい部分であり、専門的なスキルが必要です。施術を受けている間は辛いかもしれませんが、その後歯を残すことができればとても満足感があるでしょう。
しかし、施術前には慎重に検討する必要があります。施術後は抜糸後のデンタルX線で確認することが必要ですが、残念な結果も出る可能性があることを忘れてはいけません。
最終的な判断は患者さん自身が行うべきです。自分が望む治療法を選び、自分の体力を考慮して施術を受けるかどうかを決めることが必要です。